
相続発生時における課税事業者選択届出書の効力
1.免税事業者は還付を受けることができない
設備投資を行う等の事業がある場合、消費税の還付を受けられる可能性がある
しかし、免税事業者は消費税の申告義務がないため還付を受けることができない
免税事業者が還付を受けようとする場合には、あらかじめ「課税事業者選択届出書」の提出をし課税事業者になっておくことが必要
2.提出期限
還付を受けようとする課税期間が始める前に提出をしておくことが必要。
但し、新規開業・新設法人の場合、相続による事業承継の場合には、届出書の提出日の属する課税期間から課税事業者になることが出来る。
3.相続発生時の注意点
相続発生時、被相続人の提出した「課税事業者選択届出書」の効力は相続人に自動的に引き継がれるわけではない。
そのため、相続人は再度「課税事業者選択届出書」を提出する必要がある。
相続が発生した時は、遺産分割や相続税申告についてはもちろんのこと、所得税・消費税の準確定申告についても注意する必要がある。
4.大きなリスク
被相続人が建物や倉庫を建設し、還付を受ける予定で「課税事業者選択届出書」を提出していたのに、相続人が提出を忘れてしまうと還付を受けられなくなるというリスクがある。大きな損失となるため特に注意が必要。
5.特例承認申請書
以下のような事情により「課税事業者選択届出書」を期限までに提出が出来なかった場合には、特例承認申請書を活用することが考えられる。「課税事業者選択届出書」と「課税事業者選択届出書に係る特例承認申請書」を提出し承認を受ける。但し、単なる出し忘れの場合には承認を受けることはできない。
①天才等の災害が発生した場合等
⇒災害が止んだ後2カ月以内
②その課税期間の末日前おおむね1カ月以内に相続があった場合で、相続人が新たに課税事業者を選択できる個人事業者になった場合
⇒翌年2月末日まで