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助産に係る資産の譲渡等で非課税とされるもの。

 今回は、消費税が非課税とされる、助産に係る資産の譲渡等の内容を具体的に教えてください。というテーマです。

 消費税法上、医師、助産師その他医療に関する施設の開設者による助産に係る資産の譲渡等のうち一定のものには、消費税を課さないと定められています。詳細は下記解説をご参照ください。

1.助産に係る資産の譲渡等の範囲

 消費税法上、助産に係る資産の譲渡等のうち一定のものには消費税を課さないと定められていますが、具体的には、次のものが該当することとされています。
①妊娠しているか否かの検査
⇒検査の結果、妊娠していないと判明した場合も含め、非課税となります。
②妊娠していることが判明した時以降の検診、入院
⇒妊娠していることが判明した時以降の検診、往診についても、非課税となります。
また、入院生活を営む上で必要とされるものについても、非課税となります。具体的には、入院費用として徴収する室料、看護料、食事代、寝具料、洗濯代、電気代、お産パッド代、保健指導料、薬剤料等が非課税となります。
③分娩の介助
⇒分娩介助料、薬剤料等は非課税となります。
④出産の日以後2月以内に行われる母体の回復検診
⇒回復検診については、その回数を問わず非課税とされます。
⑤新生児に係る検診及び入院
⇒入院生活を営む上で必要とされるものについては、非課税とされます。具体的には、新生児入院費用として徴収する新生児室料、新生児看護料、ミルク代、おむつ代等が非課税となります。
2.差額ベッド料等の取扱い

 消費税法上、一定の療養もしくは医療又はこれらに類するものとしての資産の譲渡等については消費税を課さないと定められていますが、これらのうち特別の病室の提供その他の一定のものにあっては、(消費税を課さないのは)一定の部分に限ると定められています。

 ただし、助産に係る資産の譲渡等については、上記の一定の部分の金額を超える場合であっても非課税とされているため、妊娠中の入院及び出産後の入院(下記3.に掲げる入院に限るものとされ、異常分娩に伴う入院を含みます)における差額ベッド料及び特別給食費並びに大学病院等の初診料についても非課税となります。

3.入院費用の取扱い

 妊娠中及び出産後の入院については、次のとおり取り扱うこととされています。
①妊娠中の入院については、産婦人科医が必要と認めた入院(妊娠中毒症、切迫流産等)及び他の疾病(骨折等)による入院のうち産婦人科医が共同して管理する間の入院は、助産に係る資産の譲渡等に該当する。
②出産後の入院のうち、産婦人科医が必要と認めた入院及び他の疾病による入院のうち産婦人科医が共同して管理する間については、出産の日から1月を限度として助産に係る資産の譲渡等に該当する。
③新生児については、②の取扱いに準ずる。
 ここ数年、全国各地の医療機関で、助産に係る実費(妊娠中及び出産後の入院における個室料金・病衣代、新生児おむつ代、大人用紙おむつ代、尿取パット代、新生児聴覚スクリーニング料、新生児オプショナルスクリーニング検査料等)に係る消費税額の誤徴収の事例が報告されていますので、ご留意ください。

[参考]  消法6、別表第一、消基通6-8-1、6-8-2、6-8-3、厚生労働省「消費税法の改正について(平成3年6月19日健政発第362号)」など

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